厚生労働省によって見直されている介護職員初任者研修

幅広い介護の現場で活躍できる職業なのが介護職員初任者研修です。近頃厚生労働省によって制度設計に見直しがされていますが、今回はどんな見直しがされているのかについて詳しくまとめています。

厚生労働省の制度設計見直しによる介護職員初任者研修制度

かつてはヘルパー級という資格だったものが厚生労働省により制度が見直され、ヘルパー1級から3級までのものが介護職員初任者研修や介護職員実務者研修という二つに分けられることになりました。これにより、平成12年4月からの介護保険法の施行以来の大幅な制度変更となり、ヘルパーにおける大きな制度変更としてこれからはより分かりやすいものとしての運用がなされることになってきています。

厚生労働省には介護職員初任者研修等の制度設計なども含めて、介護の仕事の専門性を高めていこうという発想が根底にはあり、専門性を高めることで介護に携わる人材の育成や優秀な人材をよりこの分野に集めたいという意向があるのは間違いありません。

現場では介護スタッフの職離れがあり、残されたスタッフに多くの仕事が集中しているという実態があることに、なんとか歯止めをかけたいという考えがあるのではないかと見られてもいます。

ヘルパーとして働く人にとってはこの介護職員初任者研修は、介護ヘルパーとして働く上での最初の資格という位置付けになりますので、より高みを目指すことも考えていくことで、より給料アップにつなげていくことも考えていく必要があります。

介護職員初任者研修と法律上の位置づけ

介護職員初任者研修は、介護に携わる職員の養成体系を明確にして、介護の世界で生涯にわたって働き続けることができるようにするという目的にしたがい、これまでにあった訪問介護員養成研修(ホームヘルパー)2級課程から移行して、平成25年4月にスタートした新しい研修制度です。

介護職員初任者研修の法律上の位置づけは少々複雑で、さまざまな法令を読み解く必要があります。法律はすべての事項をもれなく定めているのではなく、より下位の政令や省令に、その詳細を定めることを委任しているケースがあるからです。

まず、「介護保険法」とよばれる法律では、訪問介護は「介護福祉士その他政令で定める者」によって行われるサービスであると定められています。そして、この条文を受けた政令である「介護保険法施行令」のなかで、法律にいう「政令で定める者」というのは、都道府県かその指定する介護員養成研修事業者によって実施される一定の研修課程を修了して、証明書をもらった者のことであるとされています。

さらに、政令にもとづいて定められた「介護保険法施行規則」という厚生労働省令で、政令にいう「研修」とは「介護職員初任者研修」のことであるとして、ようやく研修の名前が登場します。

介護職員初任者研修はおすすめの介護資格です

介護職員初任者研修は、介護の入門的な資格とも言える介護資格です。以前のホームヘルパー2級程度に相当しており、介護についての基本的な知識、介護技術、サービスを受ける方への気配りや心構えなどを学びます。介護職員初任者研修の受講に必要な資格はありませんので、これから介護業界で働きたいと考えている方におすすめの資格です。

介護職員初任者研修を取得すると、病院などの医療機関で医師や看護師の指示に従ってさまざまな介護サービスを行うことができます。また、サービスを受ける方の自宅へ伺って、生活の援助や身体の介助などを行うホームヘルパー(訪問介護員)として活動したり、老人ホームやデイサービスセンターなどの施設内介護スタッフとして勤務するなど、安定した職に就くことが可能です。

ニチイ学館やほっと倶楽部などの資格取得スクールでは現場経験のある講師による授業を受けることができるので、効率良く学ぶことができます。実習体験では受講中に現場に慣れることができるので、取得後すぐに働きたい方や、家族の介護のために勉強したい方などにもおすすめです。

スクールはどちらも駅に近い教室が揃っているほか、土日に授業を行っている教室もあるので、自分の都合に合わせて通えます。資料請求や無料説明会もありますので、問い合わせてみると良いでしょう。

介護職員初任者研修の取得方法について

介護職員初任者研修とは、旧ホームヘルパー2級資格のことです。この名称変更は、高齢化社会が進む中で、既存の介護業界の制度が追い付いていなかったことや上位の資格取得を目指す際に、重複した知識習得が求められるなど、旧制度には限界があった為です。

このため、2013年4月より新制度に移行し、旧ホームヘルパー2級から介護職員初任者研修と呼ばれる資格となりました。この資格の取得方法は、講習が必要です。しかし、資格取得には130時間の講習(講義、実技を含む)が必要であることから、通常の通信教育のみでは、勉強は出来ても実技技能の習得は出来ず、実技技能の習得にも対応した通信教育を選択する必要があります。

なお、介護資格取得を目的とした専門学校等では、この実技習得も問題無く行なわれると考えて問題ありません。また、資格取得に対して、旧ホームヘルパー2級は講義、実技演習を受けることでほぼ100%の合格率でしたが、新たな制度に移行した後に最終的な約1時間の修了試験が義務付けられています。

ただ、あまり心配はありません。修了試験と言えども、全体的な学習の復習の意味合いが強く、講義さえ真面目に受けていれば、その合格率はほぼ100%に近いと言って良いでしょう。介護業界で働く場合は、資格保持者と無資格者では立場、待遇、給与にも差が出ることは間違いありません。

なお、介護職員初任者研修の取得方法として、専門学校や実技講習を行える通信教育を利用する場合、小規模な事業者で6万円台から、大手業者では10万円台からと若干ながら金額の差異もありますので、まずは自身で細かい情報収集を行うことをお薦めします。

介護職員初任者研修は最短で二週間で修了します

我が国は世界でも類を見ない超高齢化社会に突入しました。今や国民の4人に1人以上が70歳以上の高齢者であり、その多くが認知症を患っています。介護保険制度の見直しや、介護施設の拡充など、介護に関する問題は山積しています。中でも介護の現場を支える介護福祉士などの専門職の人手不足が最大の課題です。

国が進めているのが介護福祉士等の専門職の増員です。重労働、低賃金等のイメージが強く、離職率が高い業界であるため、より国家資格としての社会的価値を高め、処遇に反映させようとする試みです。以前はホームヘルパー制度が施行されていましたが、より専門職のとしての価値を高めるために、介護職員初任者研修制度が始まりました。介護職員初任者研修の修了者は旧ホームヘルパーの2急に該当します。

介護職員初任者研修修了者は、現場での実務と実務者研修を修了すれば、介護福祉士の国家試験の受験資格を得ることができます。旧ヘルパー制度時代との大きな違いは、介護初任者研修には現場実習が必須となっていない点です。

専門職としての倫理観や医療知識に重きが置かれています。そのため最短で2週間程度で介護職員初任者研修は修了します。学校によって異なりますので、最短のカリキュラムに関しては最寄りの養成校に問い合わせをしましょう。

介護職員初任者研修と無資格の差は給料ではありません

介護職員初任者研修は、昔ヘルパーと呼ばれていた資格の名前が変更されたものです。介護職員はニュースなどのメディアで人手不足とよく宣伝されている為に、無資格の状態でも実質労働の待遇に差はないのではないかと思われるかもしれません。ですが、介護職員初任者研修は介護で働く前に取得することで、給料以上の大きなメリットを与えてくれるのです。

メリットは大きくわけて二つあります。一つ目は、応募できる求人が飛躍的に広がる事です。介護の仕事は、どの職場も待遇は非常に似ています。ですが、そのほとんどは介護職員初任者研修の資格を求めており、無資格で採用する介護施設は限られています。

たとえ、似たような給料の求人であっても、応募できる選択が広がる事でより自宅から通勤し易い場所や、勤務時間の調整ができる職場などを見つける事ができる為、給料以外の面で融通が利くことになるのです。二つ目は、介護職員初任者研修そのものが実務に即した資格である為に、すぐに仕事への活用が可能な点です。

無資格の状態で介護を始めた場合、何も知らない状態で忙しい介護現場で教育の手間を取らせてしまう為、素早く習得する事を求められます。ですが、介護職員初任者研修を取得しておけば、仕事に必要な知識の大半は習得している状態の為に、スムーズに労働を行う事ができ、結果として過ごしやすい職場環境の形成が可能となります。